ペーパー免許と叩き上げ

今回は僕が体験した「ペーパー免許」と「叩き上げ」の軋轢(あつれき)を書いてみたいと思います。
僕はいろいろな分野の資格を取ってきましたが、それらすべての仕事の経験があるわけではありません。
むしろほとんどが経験の無い「ペーパー免許」です。その中でも第3種電気主任技術者(通称:電験3種)での事例をあげてみます。
記事第3種電気主任技術者でも書いているとおり、僕は電気の仕事の経験が無く5年がかりで資格を取得しました。準備期間を含めると7~8年はかかっていると思います。
そしてやっとの想いで取った資格を使って設備管理会社の就職面接にこぎつけました。面接官は皆、歓迎してくれて、入社後は管理職の方々も喜んで期待をしてくれました。僕はこの時点で、会社全体が歓迎してくれているものと思っていました。
ところが現場に配属されて間もなく、それは勘違いだと気づきました。
経験が全く無いので分からないことだらけでした。
なので現場の先輩に教えてもらおうと思って質問をすると、
「おや?電験3種持ってるんちゃうの?ウソでしょ。知ってるでしょ?」
と返答されました。本当に分からないので少しでも教えて欲しいと懇願しても、なんだかんだと、かわしながら渋々と答える程度。タダでは教えてくれない。「お前は現場が分かってない。ペーパーはこれやから。な?そうやろ?」と僕に自己批判をさせてからでないと答えない。
聞いて駄目なら横から盗んで覚えようとしても、なかなかスキがない。
僕がしゃべる言葉にも一々反応して「さすが難しい言葉を知ってらっしゃる」などとからんでくる。
この先輩の個人的な性格でこんなことになってるだけかと思いきや、他の先輩もおかしなことを言ってくる。「お前なあ、電気が分からへんって何やねん!資格っちゅう鳴り物入りで会社に入ってきたんとちゃうんかいや?仕事ができへんのやったら資格なんか出してくるなや!」「電験取りたくても取れへんけど仕事できるヤツはいっぱいおるんじゃ!エエ加減にせい!」
たしかに僕が甘い面もあるでしょう。7~8年かけて国家試験を通るのがやっとでしたではいけないのかもしれない。しかし叩き上げ職人の先輩方で電験をもってる人は1人。電験を軽んじてるのか重んじてるのかわからない。
そして僕は現場を移りました。
でも移った先でもわけのわからない人がいました。
この人と朝礼と終礼で会う位でしたが、会社の飲み会で僕に向かって「アンタとは気が合わへんと思うんや」と話してきました。僕は何でこの人はこんなことを急に言ってくるのか理解できませんでした。
しかし飲み会の帰り際にこの人が「資格いうモンをいっぱい取ったら会社は給料上げてくれるやろうけどなあ、ワシはそんなモン”一切”認めへんぞ!!」と語気を荒げて目を合わさず独り言を言いました。
明らかに僕への不快感の表明です。
僕は叩き上げ職人には男らしくてぶっきらぼうなイメージを持ってましたが変わりました。女同士の世界は大変とよく耳にしますが、さあ、どちらがさっぱりしてるんでしょうか。
僕は今、工場で製造のお仕事についてます。朝から夕方まで繰り返し作業。設備管理とは全く無縁。もう二度とするか。
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